2020年05月08日 08時43分
令和2年5月8日
教員各位
HIT教育機構長
附属図書館長
オンライン授業における著作物等の送信について
~「授業目的公衆送信補償金制度」における注意点等 ~
2018年5月に著作権法が改正され、「授業目的公衆送信補償金制度」が創設されました。当該制度は著作権法第35条に基づき、教育機関の授業の過程における利用に供することを目的とする著作物の公衆送信について、補償金を支払うことを条件に認めるものです。
「授業目的公衆送信補償金制度」は、2021年5月から施行される予定でしたが、新型コロナウイルス感染症に伴い遠隔授業等への対応が必要となったことから、当初の予定を早め、2020年4月28日付から施行されることとなりました。なお、指定管理団体である「一般社団法人授業目的公衆送信補償金等管理協会(SARTRAS)」の認可申請により、2020年度に限り補償金額は特例的に無償となります。本学においても、同協会に申請を行ったところです。
「授業目的公衆送信補償金制度」による公衆送信の注意点は、以下のとおりです。
・「教育を担任する者」か「授業を受ける者」が行うこと
※教員等の指示を受けて、事務職員等の教育支援者及び補助者らが、学校内の設備を
用いるなど学校の管理が及ぶ形で複製や公衆送信を行う場合は、教員等の行為とする。
・「授業の過程における利用に供することを目的とする場合」であること
・「必要と認められる限度」であること
・「公表された著作物」であること
・「著作権者の利益を不当に害すること」とならないこと
文化庁のホームページには、対象となる具体的な行為として、次の例が示されています。
・学校等の授業や予習・復習用に、教師が他人の著作物を用いて作成した教材を生徒の端末に公衆送信する行為
・オンデマンド授業を行う際に教師が他人の著作物を用いて作成した講義映像や教材を生徒の端末に送信する行為
https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/hokaisei/h30_hokaisei/
(「4.改正法Q&A」「問5」)
なお、本制度の運用については、「著作物の教育利用に関する関係者フォーラム」において、2020年度における運用指針(ガイドライン)が取りまとめられています。詳細につきましては、当該「運用指針」をご参照ください。
https://forum.sartras.or.jp/info/004/
(「改正著作権法第35条運用指針(令和2(2020)年度版)」を公表)
*著作権法第32条は「公表された著作物」の「引用」について「公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない」と定めています。典拠の明示、改変の禁止等、適切な対応を、併せてお願いいたします。
以上